「あゆみの家」・見学
尼崎の塚口に静かな住宅街の一角に2階建てで庭付きの少し大きな家があります。そこが、「あゆみの家」です。玄関には大きく「あゆみの家」と書かれています。入口は、玄関に面して九の字型になっていて段差もあるので、狭くて車イスでは入り難く玄関の入り口を素通りしで庭に出ました。そこには、1,5メートルくらいのスロープがついてあり、そこから入らせてもらいました。
家の中も広く車イスでなかったら余裕10人くらいゆったり座れるスペースあり快適です。テーブルも長細く必要な家具は揃ってあり、奥の部屋と手前の部屋の間に通り抜けできるように、台所が広く取ってあります。しかし、車いすが台所に向かうことができませんでした。(残念)
「あゆみの家」は、1階が高齢者の集う場、2階では幼児の保育を行っています。私たちが行った時は、高齢の方はいなくて子どもが3名来ていました。
運営責任者は、30歳~40歳そこそこの女性、とても元気な方で細かいことは気にしませんという方でした。その方の言うには、高齢者が集まると輪になってボール投げやお遊戯のようなことをしますが、ここではサロンとしてお茶やコーヒーを飲みながら何でも相談できる関係になれるのが目的ですと言う。運営上、ディ・サービスの制度は取っています。
現在、派遣業が忙しいので高齢者まで手が回らない状況なのです。大変な状況の高齢の方のところへ行っています。
私は、ここに初めて来させて頂いた時は、人間として当たり前の接し方や感覚がうれしく思いました。
しかし、少し時間が経つと高齢の方を地域の中で自分らしく生きる、生きて欲しいと支援団体が各地域で立ち上がろうとしています。なぜ、こんなに生きにくい社会になったのでしょう。障害当事者として長い間、差別と向き合ってきましたが、今ではこの社会で生き難いのは、また、命を家族によって左右されるのは障害者だけではないのです。身につまされる思いがします。
障害者の自立を支えるサポートネットワークが、これから事業はゆめと希望を持てるようなものにしていきたいと思っています。全ての人が人権を守られ、ゆめを語り合い、支えあい、そんな場所の提供、或いは、少しの時間家から離れたいお泊まりもできる民宿の場も提供できるような事業を目標に歩き出しました。私は、障害当事者の立場として一緒に歩きたいと思います。
入部香代子