こんにちは。サポネアンバサダーの高木です。
今回は、僕が何回も読み返して、その度に、勇気をもらい、大切なことを思い出させてくれて、子どもでも読めるけれど、考えれば考えるほど無限な解釈ができそうな本を紹介したいと思います。
「星の王子さま」
(サン=テグジュペリ作、内藤濯訳、岩波書店)
この本を最初に読んだのは、2009年の秋、中学3年の時でした。僕は、新型インフルエンザに罹り、豊能広域こども急病センターに行きました。前の日に読み始めていた『星の王子さま』を診察を待つ間に読もうと思って持って行きましたが、診察を待っている人がセンター中に溢れていて、待つ間に最後まで読み終えました。熱があるせいなのかわかりませんが、文章が温かく感じられて、読んでいると<生きている>とひしひしと感じられた覚えがあります。
この本は、砂漠に不時着した<ぼく>が、地球とは違う星から来たという<王子さま>に出会って、いろんな話を聞いたことを書いています。王子さまは、地球に来る前に、いろんな星を訪ねて、個性溢れる大人達に出会い、その度に簡単な質問を投げかけて、大人達のおかしな答えに「大人って変だなあ」と思います。地球に来て、ヘビや花、こだま、キツネ、スイッチ・マン、そして、<ぼく>に出会います。
僕は、王子さまみたいに、何でも不思議に思って、考えられる人になりたいと思います。これからも、生きていく中で、王子さまが大切にしているものを忘れずに心の奥にしまって、いつでも取り出せるようにしておきたいです。
ちなみに、『星の王子さま』は、原作の著作権保護期間が2005年に切れてから、新訳が倉橋由美子、池澤夏樹、三野博司、小島俊明、稲垣直樹、河野万里子など、また、原題どおり『小さな王子さま』の題で山崎庸一郎訳など、いろいろ出版されているそうです。
今は新型コロナウィルス感染拡大の防止のため休館中ですが、万博記念公園内の国立民族学博物館の言語コーナーには、いろんな言語に訳された『星の王子さま』が並んでいます。同じ言語でも異なる翻訳がいくつかあり、それぞれの言語においても表現の多様性を見ることができるようになっています。
(写真:国立民族学博物館Twitterより)
何かと辛い世の中ですが、『星の王子さま』を読んで癒やされるのもいいかも知れません。
高木智志