理事会があり、合宿がある。私は事務局長なのに介護ばかりして何にもしていない。が、なんとなく気忙しい。今年度を振り返り、来年度どうするか考える。利用者の方には利用しがい、スタッフやサポーターには働きがいを感じてもらえるようどうすればよいか、年々責任が重くなるように感じる。
そんな気忙しいのに本を読んでいる。ここ何年も「ちゃんと」本を読んでいなかった。仕事上必要なもの、気晴らしにエッセイや昔読んだものを目にすることがあるが「次がどうなるか、ページをめくりながらワクワクというか期待をもって」「ちゃんと」本を読むのは久しぶりだ。読んでいるのは辺見庸氏著「もの食う人びと」ルポタージュ。
92年〜94年、著者が世界中を旅してものを食う。グルメ本ではない。飢餓がまん延する国、戦争が絶えない国で、格差激しい国で、難民や貧しい人々と同じものを食う。悲惨なところばかりではなく、平和な小さい島でジュゴンの肉(すっごい旨いらしい)を探したり、観覧車に乗って食事をしたり。世界の景色、人々の息遣い、恐怖と不安、が目に浮かび、感じる。すごい筆使いだ。そしてどんな状況でも人は食べ、食い、むさぼる、しかし悲惨な状況の中で食うことをやめてしまった死を待つ少女もいる・・、そんな人々を描いている。
去年は日本では食に関して裏切り、疑惑が拡がった。そしてこの不況。今食べているものが大丈夫なのか、これからも飽食の時代と言われるように食べていけるのか・・答えはNOだ。でもこの日本でできるだけ頑張ってよい状況をつくりたい。丁寧に作られた材料で気持ちをこめて作られた細やかな料理に憧れる。介護でうまくお料理できると嬉しい。確実に信頼され度が増すと思う。グルメではない本当に豊かな食事が愛と平和を作る。簡単そうなのに難しい。サポネで何かできるかしら?少しウズウズするなぁ。
さんじょう