サポネでは毎月ひやり・ハッと通信というメールマガジンのようなものをサポーターさんに配信しています。前回の記事(案)の中に「利用者さんを落としてしまった」という報告があり、「落とした」という表現に関してJ局長からダジャレ犬にTELがありました。
「利用者さんを落とした」という表現は利用者さんを物扱いするようで良くないかもしれません。言葉の使い方について考えが深まるような文章をつけてほしい。
という内容でした。「文章の修正」と「言葉について次号で取り上げる」という話をしてTELを切りました。
ちょっと考えてからダジャレ犬は次のようなメールをJ局長に送りました。以下、J局長とダジャレ犬とのメールのやりとりです。
ダジャレ犬:
少し考えてみましたが、例えばこんな文章はどうでしょう。
「感動した私は、優勝した友人を高々と抱えあげた。が、次の瞬間、汗で滑って彼を床に落としてしまった。」
「彼は、助かった恋人を抱き抱えたが、溝に足をとられて彼女を地面に落としてしまった。」
どうでしょう?どちらもごくごく自然な文章で、誰が読んでも「友人や恋人を物あつかいしてケシカラン!」とはならないように思います。
友人や恋人は落としても物扱いには感じないのに「利用者」となると違和感が出るのは何故かしら?と今、考え中です。
やっぱり「落とした」は自然な表現ではないでしょうか?
J局長:
>実際「落とす」は差別的な表現ではないと思います。
健常者の中で障害者を荷物のように思ったり、そのように接する人はたくさんいます。障害者は荷物扱いされているように感じて肩身の狭い思いをしたり、不愉快な思いをしてる人は多いと思います。そういった現実をふまえて言葉に気を付けることは介護するときの姿勢にも大きく影響すると思います。この言葉がアカン、OKではなく、言葉に気を付けることで自分の態度を省みることができる。そういうことを頭の角において介護してほしいことを伝えたいです。
ダジャレ犬:
その言葉が一般的に適切かどうか、だけではなく一般的には適切であっても、その言葉に傷つく可能性のある人達がいる。傷つかざるを得ない環境や過去を生きてきた人々がいる。その事を踏まえた上で言葉を大切にサポートしていきましょう。そうすることでサポートの質が変わってきますよ。ということですね。
了解です。
今回は、
「利用者さんの便器から車椅子への移乗を失敗してしまった。」にしたいと思いますがどうでしょう?
今回のJ局長とダジャレ犬のやりとりを次回のダジャレ犬のブログで取り上げたいのですが、メールの文章使ってもいいですか?J局長が本当に伝えたいことを伝えるには、このやりとりはとても適していると思うのですが。
J局長:
言いたいことが伝わったみたいでよかったです☆
〉今回は、
「利用者さんの便器から車椅子への移乗を失敗してしまった。」にしたいと思いますがどうでしょう?
→それでお願いしますm(__)m
〉今回のJ局長とダジャレ犬のやりとりを次回のダジャレ犬のブログで取り上げたいのですが、メールの文章使ってもいいですか?
→もちろんOKです。言葉のことはずっと気になっていてどのタイミングで話をしたらよいかと思ってました。みんなが考えるキッカケになれば嬉しいです☆
ダジャレ犬:
先ほどの文章
「利用者さんの便器から車椅子への移乗を失敗(落下)してしまった。」にしたいと思いますが、良いでしょうか?
ひやり・ハッと通信は介護事故防止の為のものなので、どのような失敗だったか。の表記が必要だと思いますので。
J局長:
>よいと思います。よろしくお願いしますm(__)m
以上がJ局長とダジャレ犬のメールでのやりとりです。
「目からウロコ」という表現でなるほど!と思う人もいれば、傷つく人もいます。(視覚障害の方からクレームがあった事例があるそうです)
「言葉は相対的なモノなんだなあー。それぞれの立場を思いやることが大切だなあ。」という当たりまえなことに再び気づいたダジャレ犬でした。
※ちなみに、「Yさんを落としてしまいました」という報告をダジャレ犬もしたことがあります。介護の報告では状況を具体的に伝える必要があるので、間違った表現ではないと思っています。J局長の言うように人それぞれの背景に配慮しつつ、言葉をその時々で選んで使っていくことが大切だと思っています。
※ちなみに② 6年前、腫れ上がる顔を無理やり笑顔にして、落ち込みながら謝るダジャレ犬を励ましてくださったYさん!あの時のあなたの笑顔はとてもブチャイクでしたが、世界一温かかったです![E:crying]ありがとう[E:happy01]
感謝のダジャレ犬
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080612-00000006-maiall-soci.view-000
これはイイかもしれない。
文字で表現するのは難しいですよね
言葉はそれを見ている人の社会的背景やその人の気分(元気な時には気にならない表現でもイライラしている時には気になるとか)によっても捕われ方は随分異なると思います。
個人的に文章を書くときに気をつけることがあります。
①一度書いたら一日置いて見直す
②気分を変えて読んでみる(特に、自分を怒らせて読んだら面白いですよ)
③明らかに自分と違う考えを持った人に読んでもらい意見を聞く
④出来るだけ文章は書かない。もしくは誰かに書いてもらう(これが一番いいですよ(笑)
以上、毎週楽しみに読ませていただいてます