先日、ひとに誘われて、「住まいの貧困」という講習会に参加した。大阪弁護士会主催で、「貧困問題連続市民講座」12講座の内の1講座。無料。非常に面白かった。弁護士会もええことしてるやん。
講師は、神戸大学の平山洋介さん。
まず、問題は、住宅にしても何にしても、政策が、「結婚した、中流の家族生活」をしている人たち中心に施行されていること。個人を守るようには、できていない。今や、生活スタイルの多様化により、いろいろな住まい方がある。結婚する人、しない人、子どもを産む人、産まない人。でも、結婚すると、住宅優遇制度があったりする。現状に合わない政策であることを、各種、統計が物語る。
また、保守的な家族を重視しているのに、その市場を自由経済に委ねようとしていることも、問題である。仕事も家も失う、貧困ビジネスが、まかり通る。
今や、グローバリズムと新自由主義により、経済・学歴・生活レベルの格差が拡がり、固定化される。この仕組みの、弊害が浮き彫りにされ、流れが変わろうとしているのに…
地方分権というけれど、自分にメリットのない住宅政策を、地方自治体がするはずがない。貧困層への住宅政策は、中央で。
政権が交代して、望みが見られるのかと思いきや、「コンクリートから人へ」政策をシフトしようとしている鳩山政権は、住宅をコンクリートに含めようとして、住宅政策に関心が薄い。
ハードからソフトへ、というなら、建設補助から、家賃補助へのシフトが必要。
しかし、だからといって、コンクリートを0にしていいのか。
諸外国と違って、日本には、公営賃貸住宅が非常に少ない。外国では、20%くらい存在するが、日本では、6%にしか過ぎない。絶対数が少ないので、入居のハードルが非常に高い。コンクリートを0にせず、20%くらいに公営賃貸住宅を増やし、対人補助だけでなく、対物効果も加える。「ちゃんとした家に住まなければ、補助は、出しませんよ。」でなければ、住宅の質は、いつまでも良くならない。人の住む家は、道路や橋や空港とは違う。
経済の話は、よくわからなかった。昔は、景気対策に住宅政策が使われた。景気が悪くなると、住宅金融公庫の融資額が、ぐっと上がった。それは、それで、景気対策になっていた時期もあった。
また、日本の特徴に、「持家優遇の制度」や、「家は個人の甲斐性」の問題に帰してきた、弊害もある。外国の賃貸住宅の広さや質は、持家のそれに劣らない。それらは、制度の問題ではあるが、私たちの感覚も変えていく必要があるのではないか。
以上、全部、受け売りです。
久保秀美
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