こんにちは。サポネアンバサダーの高木です。
僕にとって本とは、知らない世界に入り込んで現実の世界を見直す機会になって、自由に感じて自分の心を豊かにしてくれる存在です。
時には癒やしになったり、志を高めたり、僕が想像できなかった世界に連れて行ってくれたり、励ましてくれたりします。
僕の寝室の本棚には、そんな本がいっぱいあります。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
(ブレイディみかこ著、新潮社)
この本は、イギリスで暮らす作者の中学生の息子さんの日常を描いています。社会の問題に悩みながら生きていく私たちの気持ちに寄り添いながら、ユーモアたっぷりに物語を進めていくので、生きていくことが面白くなって、どんどん読み進めてしまいます。
イギリスの社会は様々な人種や階級の人々が暮らしていて、様々なものの見方が存在しています。異なった意見を持つ人々とともに暮らしていくためには、日本語では「共感」と訳されている empathy(エンパシー)という能力が必要になってきます。イギリスでは、他人の立場に立ってみるという意味で、「自分で誰かの靴を履いてみる」という表現があり、学校の試験で「エンパシーとは何か」を問われた息子さんは、「自分で誰かの靴を履いてみること」と答えます。
僕は、5歳から6歳の時に父親の仕事の関係でアメリカに住んでいました。地元の学校に通って、いろんな国の子どもたちと一緒に遊んだり、歌ったり、勉強したりして、楽しい毎日を過ごしました。豊中に帰ってからも、地域の学校に通って、障害があっても、友達と一緒に学んで、ともに育ちました。「多様性はめんどうだけど、無知を減らすからいいことだ」という作者の言葉に共感しています。
この本は、コロナ禍で分断しやすい社会において、相手の立場に立って考えて行動することの大切さを教えてくれます。ぜひ、読んでみてください。