先日、お餅つき大会に参加してきました。
20代の同僚が、つき始めと最後の方では、動きが格段に良くなっているのをみて、
「若いって良いなぁ~…でも、自分が若かった頃ってあんなに覚えが早かったっけ…」
などと、オヤジくさいことを考えているうちに、昔、田舎の年末親族が集まってやる餅つきの時には必ず来ていた、近所のおっちゃんのことを想い出しました。
その人は、とにかく口やかましい人でして、「ホラッ!お米が飛んどるぞ!お百姓さんが丹精込めて育てて来たお米を、一粒たりとも無駄にするようなことはするな!」「杵は落とすように使え。振り回すな!」「アホ!何処みて突いとんねん!ちゃんと餅みて突け!」「力任せについてるから、餅が切れるんや!ちゃんと加減せんかい!力自慢するために突くんやないで?餅にするためや」「返し手がそんなへっぴり腰でどないすんねん!手だけじゃなく、ちゃんと腰使え!」などと、目を血走らせ、後退した額に青筋が浮かび、餅に思いっきり唾を飛ばしながらマシンガンのように発せられる言葉は、和気あいあいとした雰囲気を、よく一瞬で凍らせていたものです。
このように文句しか言わないおっちゃんが一度だけ「おい、だいぶ突けるようになってきたな。わしの見したるから、ちゃんとみとけよ」と、言ってやってくれたことがありました。私は、人を頭ごなしに怒鳴る姿勢が嫌で、その時にはすでにおっちゃんに対して反感を持っていましたが、見事な杵さばきには感嘆を覚えずにはいられませんでした。
そして何よりも、道具などを丁寧に扱う姿勢は、子供の自分からみても、他の大人と比べてもすばらしかったように思います。そのことを、当時はおっちゃんへの反感から中々素直に飲み込むことができずにいましたが、結局、自分の理想の形は、あの時にみた光景で、今でもあの光景を越えることのできていないことだけは確かなようです。
なぜ、あんなに上手かったのに、あの時だけしか見せてくれなかったのかは、もう亡くなられたのでわからず仕舞いですが、おっちゃんが教えてくれたことを伝えてれるようになれたら、おっちゃんが本当に伝えたかったことがほんのちょっとわかるような、わからないような気がする今日この頃です。 ピンぴか★でした!
すてき~。今は、こんなおっちゃんがいっぱい必要や!(^^)!