お気づきの通りサポネのホームページがリニューアルしました!
これから少しずつコンテンツを増やし充実していきますのでお楽しみにしてください。
サポネは4月に2名の新人スタッフが加わり、この5月にはサポーターからスタッフに転身した2人もいて、ますます活気づいています。事務所の2階の床もミシミシと音を立てて喜んでいるようです。CO2濃度もますますパワーアップしてきたので、K姫が空気清浄機をプレゼントしてくれました。しかしさすがに狭くなってきたのでスタコラ移転しようと、近くのアウトレット家具屋後のテナントにTELしたら「家賃120万円です」と言ってきたので「安すぎるわ!!」と言って切ってやりました。
そういうことなので引越しは諦め、ビフォーからアフターへと1人の匠が改造中です。「部屋の間の壁をぶち破る」と豪語していてとても不安です。次号の通信で特集予定なのでお楽しみに。僕とスタッフの間にある心の壁も破ってほしいものです。
人が増えるのは本当に嬉しいものです。今までずっと待っていてついに現れた原石ですから。まっさらな気持ちで頑張っている姿をみて、こちらが初心の気持ちにかえることも大切なことです。ただし浮かれている場合ではありません。組織が広がることの弊害は常にあります。顔を合わす機会が減り、情報伝達が遅れ、仕事に支障をきたし、同一の目的を見失い…という悪循環、いわゆる「大企業病」です。もちろんスタッフ同士ではなく、通信、ホームページ、イベント、カレッジなどあらゆる機会を通じ、利用者のみなさま、サポーターのみなさん、そして地域の方々との交流を積極的に図っていくことを今年度の目標に据えています。
さて外の世界に目を向けてみましょう。
100年に1度の大不況が冷めやらない中、にわかに拡がった新型インフルエンザの脅威にさらされています。人智の及ばぬこともあります。できることは日頃の手洗い・うがいくらいです。それを怠らず、あとはただ多数の死者をださないうちに収束することを願うしかありません。
パンデミックの恐怖が現実のものになりつつある今後、ますます経済活動は収縮していくことが予見されます。辺見庸が著作『しのびよる破局 - 生体の悲鳴が聞こえるか』(大月書店)で警鐘しているように、新型ウイルスだけでなく、経済、環境、戦争…。あらゆる危機が横断的に関連し同時に起こりつつある(すでに起こっている)と感じられます。
人の社会は急速に曲がり角(あるいは下り坂)に来ています。先は全く見えません。本当に大切なことはこの危機を越えたところにある景色を強く思い描き、そこに向けて歩を進めることです。ここ数年、経済と表裏にして「社会保障」というテーマがクローズアップされてきています。「消えた年金」に始まり、「後期高齢者医療」、派遣切りやネットカフェ難民に象徴される「貧困」、そして「障害者自立支援法」もそうです。
人は1人で生きていけません。一度働くことから離れたとき、介護が必要になった時、途端に社会から置いていかれる様な気持ちになり、実際に困難に直面するのが今のこの国の現状です。先日有名人にもあったように介護を苦とする自殺、殺人(心中)事件が多発しています。自殺者も11年連続3万人を越えており、健康と経済・生活の問題が原因とみられるものが7割を超えています。
そんな中で最近注目を集めているのが「ベーシック・インカム」という社会保障の考え方です。「すべての人に無条件で所得保障をする」というシンプルかつ大胆な手法ですが、これにより、貧困の解消のみならず、性別による役割分担の固定化と実際に女性が抑圧されてきた歴史の転換、労働と所有の新しい価値観の確立、障害者の真の自立など、夢物語ではなく、本当の意味での自由と平等を実現できる可能性をもった考え方です。詳しくは『ベーシック・インカム入門』 (山森亮著/光文社新書)を推薦します。同書の中で私たちの源流でもある「青い芝の会」の活動にも通じると著者は記しています。
誤解される労働の否定ではないことです。「働かざる者、食うべからず」から「衣食足りて礼節を知る」への転換を先の著者は提案しています。
面白いのは自由主義的な立場と思われる経済人でもこの考えを支持する人が少なくないことです。創刊50年で復活した朝日ジャーナル(4月30日号)でも堀江貴文(通称ホリエモン)がベーシック・インカムに言及しています。
介護の業界の問題である離職についても主な理由に挙げられる「生活していける賃金ではない」「将来への不安」への1つの解決策と考えることもできると思います。
GDP(国内総生産)とGPI(真の進歩指標。幸福度ともいえる)はある水準までは比例するが、一定レベルを越えるとその関係性は乖離することが知られています。つまりある程度生活できる所得があれば、みんながみんなより大きな所得を目指すだけではなく、それぞれの社会的価値のあること(それが有給であれ無給であれ)により積極的に携わるようになるということです。そんな社会になることを信じたいと思います。そしてこれからもサポネはそんな世界を目指し地道に行動していきたいと思います。
忌野清志郎さんのいう「愛し合っているかい」とはそんな世界だったのでしょうか。合掌。
最後までお付き合い頂き感謝します。ピース。
眠り猫