近所にラブホテルがある。住宅街に突如一軒あるためタクシーで道の説明に「ラブホテルの近くです」と言うと便利だ。こないだもそうだった。比較的年輩の運転手さんは憎々しげに「なんで住宅の中にあんなものが・・」と話をはじめる。結構しつこいのでびっくりした。食欲を満たすレストランや物欲を満たす色とりどりのお店はそこらじゅうに普通にある。誰もとがめる者はいない。性欲というものはいろいろ複雑な事情が絡んだものだなぁと確認する。
ちなみに私はそのラブホテルを10年くらい前に利用したことがある。が、最近めっきり性欲をはじめあらゆる欲望が薄れつつある私。介護ばかりの修行のような毎日だからか・・。
介護は障害者(介護を受ける人)の欲望を満たすための手助けだ。若いときは、こんな欲望もあんな欲望も介護がいなくて、満たすことができない障害者の気持に共感し、一生懸命介護してきた。誰も彼も欲望を満たす権利があるべきだと感じていた。ちょっと燃えていた。
バブル弾けた直後に社会人になってまだ上ついた空気が残っていた。消費社会、資本主義社会の中で欲望を満たそうと競争し、地域や親族のややこしいシガラミを断ち、便利な電化製品に頼りきり、ジャンクフードやグルメを食い、いろんなものを使い捨て、ごみを作り、ごみから避けてきた。
そんなことを時々ツラツラ考える。どんな社会がよいか、最近真剣にぼんやりと考える。が、なかなか答えはみつからない。「支えあう社会を目指す」なんて言葉は使いふるされて陳腐なのはわかっている。けど、一人一人が大切にされた本当の「支えあう社会」は珍しく、魅力的なはずだ。どうすればよいか考える学習会を11日14日にひらきます。
眠りたい、休みたいとひたすら思いながら介護に追われる毎日を過ごす私に豊かな社会を考える想像力が残っているか、かなり厳しい。皆さんご協力をどうかよろしくお願いしますm(__)m