僕の本棚6【哲学対話と教育】
こんにちは。サポネアンバサダーの高木です。
新型コロナウィルスが猛威を振るって、なかなか人と話し合うことが難しくなっている世の中ですが、ますます答えのない問題に直面せざるを得なくなっているように思えます。
このような時代だからこそ、たとえ、すぐには答えが出なくても、様々な人がともに考えることが、より大切になってくると思います。
今回紹介する本は、哲学対話といって、一見難しそうだなあと思われるかも知れませんが、いろんな人が自分のことばで自分の考えを表現して、いろんな考えを知ることができる場所をつくっていく取り組みの記録と未来を考えるものです。
「哲学対話と教育」
(中岡成文監修、寺田俊郎編、大阪大学出版会)
http://www.osaka-up.or.jp/books/ISBN978-4-87259-727-1.html
僕と哲学対話の出会いは、高校入学前に、とよなか国際交流センターで開かれている哲学カフェに参加したことです。哲学カフェは、毎回、いろんな人が集まって、自分一人では考えつかなかった物事の本質にたどり着けたという感覚があって、それがやみつきになって何回も行きました。
大学に入って、友達と、誰もが自分らしくいられるようなサークルを作りました。そのサークルは、対話を中心として、いろんな人の考えや思いを認めて、一緒に話し合うことを大切にしていました。
サポネでも、自由に話せる「対話の会」を始めて、普段は話すことが少ないスタッフとの対話の機会になっています。(今は新型コロナウィルスの影響で開催できていませんが・・・)
この本は、共著者の一人である辻明典さんからいただきました。辻さんは、大阪大学大学院で哲学を学んでいた頃に、とよなか国際交流センターで開かれている哲学カフェの進行役として参加されていて、僕は参加者として出会いました。
辻さんは、大阪大学を卒業した後、地元である福島に戻り、先生をされています。昨年、辻さんが関西に来られた時に、お会いすることができました。その時に、障害があっても地域の学校に通って、友達と一緒に学びあい、一緒に成長することが大切だという話をしました。
今年の3月に、この本と一緒に手紙が届いて、そこには、辻さんは4月から小学校の先生になって、小さい頃から全ての子どもたちが地域の学校で共に学びあえる環境をつくりたいと、強い思いが書かれていました。
いろんな考え方を持っている人と一緒に暮らすことは簡単なことではないけれど、お互いを認め合える社会にしていきたいと思います。
高木智志