日が暮れるのが早い。それもそのはず、あと2か月で冬至だ。
日が短くなり始めのころは、(6月23日から日は短くなり始める。)まだまだ暑く、というより、これから暑くなる時期で、日が短くなるのを実感しにくい。寒くなり始める今ごろ、日の暮れの早さを実感する。
早めに仕事が終わり、「今日は、早よ帰って、一杯飲んだろ」と思って帰るとき、(早くなくても飲んでるが)暗くなった道で、金木犀が匂う。甘い香り。庭木などに使われているので、目につきにくく、匂いでわかる。暗闇での匂いは官能的、という文を読んだことがあるが、金木犀にそんな感覚はない。
歩いていて、ふと匂い、振り返る。見つけられない時もあるし、大きな金木犀の木の下に立っていることに気づく時もある。芳香剤などによく使われているが、もちろん本物の匂いの方がいい。
そのうち、花びらが散り、絨毯のように敷きつめられる。黄色い、小さな花が、パラパラと、一杯、落ちる。それも、きれい。月が出ていたりして、秋の風情がいい。
久保秀美